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土砂降りの皮靴


死ぬ事が一番自然に優しいと知ったあの日から
色々が救われた気がするのは
きっと偶然なんかじゃないだろう?

だからって死ぬほど難解な
生きる理由を問うほど
真面目になんか出来ないんだろう?

天気予報に中指立てて
土砂降りの皮靴は新品で
それを蹴り上げ明日の天気を占うくらいの
金もない夜に描いた夢は
あなたが馬鹿にするほどは
クダラなくはないだろう?

水溜りを突き進みながら
傘を投げ捨て
あなたが惚れるくらいは
ステキではない頃に



# by setsuna-yoshida | 2011-10-26 10:14 |

アバズレシンデレラ


この狂ってしまった時代の秒針に
足をとられた分針が
まだやれるよって短針を道連れにした
日付が変わる頃
カラクリ時計の鳩
ピエロみたく鳴いたすぐ隣
シンデレラは酷く下品に股を開いた

そんな話を昨日
場末のBAR
呂律も朧なガラスの靴に聞いたんだ

左足ヒールの折れたガラスの靴と
鳴く事も泣く事さえも許されない
カラクリ鳩のシミッたれた夜に
26時のボンボン時計は心地良く

シンデレラは今頃誰かの腕の中


# by setsuna-yoshida | 2011-09-28 14:52 |

フェルメールへの返事


ラピスラズリの青よりも
必死で追いかけた何時かのあの日
作った青痣の方がよっぽどキレイだ

アナタの作り出す光より
淀んだ都会の夕闇の方が心を打つんだもの

アナタの持つ緊張感より
あの子の唇が動く瞬間の方が
よほどソワソワするってモンだ

数えきれない札束が見え隠れする額の前
うっとりしているあの子が見てるモノは何?


フェルメールがくれたラブレターへの僕の返事

ごめん、仲良くなれそうもない
僕は幾許以上の優越より泥の中の糞でありたい

# by setsuna-yoshida | 2011-09-19 12:43 | 戯言

温故知新の次辺り


尋ねた古きは火薬の臭い
知った新しきは何処か古臭く
カーラジオから流れるTOO MUCH PAIN
何故だか必然涙が流れる

目視出来ない無数の傷に
出来るだけ可愛い名前を付けて
直視出来ないほど照れてみる

傷付き過ぎた
温故知新の次辺り
照れている事にも照れながら

# by setsuna-yoshida | 2011-09-06 18:20 |

800じゃきかない嘘


僕が吐いた一世一代の嘘

あなたの事が大嫌い

夏の強い雨に打たれながら
不意に思う

あいつは今も元気かなぁ

そして今日もペテンに照れ笑う

# by setsuna-yoshida | 2011-08-07 21:04 | 戯言