鴉のファブリック


風の内緒話を聞いたんだって
夕暮れを貯め込んだ貯水タンクの事
何処か遠い西の街にあるんだって
寂色の灯台の近く
空にトンネル掘ってる爺さんの右隣
ヘンテコなモニュメントを飛び越えた辺りだって

もーネタは割れてるんだからって
羽を痛めた渡り鴉に問い質したら
困った顔の向こう溜息
切ない言葉と泥酔のお伽話で
僕が平織ったファブリック
咥えて窮屈そうに飛び立つもんだから
ああー僕の宝物ーって思ったけれど
3滴の橙置いて飛び立つもんだから
足らないよーって思ったけれど
ホントはとても嬉しいから
僕の部屋に遊びに来ないか?

聞き耳立てたお前が悪いって
情報料だって
風が1滴も持っていきやがるモンだから
1滴は大好きなビー玉に閉じ込めて
泣いてる人にあげちゃったから
あと1滴しかないけれど
あなたにあげるから
僕の部屋に遊びに来ないか?

僕は大丈夫
夕暮れに包まれたあなたの空気を平織って
今度また渡り鴉に貰うから

でも内緒だよ
風にバレると五月蠅いからね

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# by setsuna-yoshida | 2012-03-23 10:58 |

泥心


僕が死んだ事を知った日は
少しだけ笑ってそして忘れて欲しい
葬式も焼香も念仏も
十字架もパーティーも涙も
僕は望んではいないから

何時もの日常
気にも留めないまばたきみたく
ただ静かに忘れて欲しい
僕の描いた言葉達と一緒に

大丈夫
あなたが幸せでありますように
今際の僕はきっと
そんな事考えちゃいないから

何時か早急な死の前に
猫目な乱歩の途中で

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# by setsuna-yoshida | 2012-02-22 04:21 | 戯言

だからって何も変わらなぬ頃


一番キレイな言葉は
サヨナラだと知っているから
受話器の最後
僕はまたねと言う
その夜の最後
僕はおやすみと言う
だからどーって事ではない
場末の呑み屋
その事だけは
誰かに伝えたくなったんだ

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# by setsuna-yoshida | 2012-01-28 00:04 | 戯言

負けっぱなしのポケット



十字架を二段階右折したあいつを
牧師の後輪が巻き込んで
擦り切れたメヘンディ
坊主はバズなクラクション
満腹のラマダン足早に通り過ぎた

息を吸って吐くまでの
小さな空気の滞留とその刹那
何処かで幼子 血みどろで産まれ
何処かで幼子 血も吐かずに死んでいく

爆音の中では聞こえない声と
無音の中では嗅げない匂い
比べる野暮をわかりつつ
酷く精密な秤にかけ
嘘泣きのあの子に鯖折りでハグする

世界の終わりに
僕も終われますように



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# by setsuna-yoshida | 2011-12-23 14:09 |

男と女がsex以外に出来る少しの事


裸よりも裸はあるけれど
裸を衣装と言いきれるほどステキでもないけれど
裸同士じゃないからの距離感もあったりして
裸だからの温度もあったりして
でもでも男と女がsex以外に出来る事が
ほんの少しでもあればいーのに
僕はせーいっぱいで鼻の下を伸ばしながら
何時もそんな事を考えています

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# by setsuna-yoshida | 2011-10-27 13:51 | 少しの事