カテゴリ:詩( 61 )

美しさの定義

転ばぬ先に付いた杖が折れてたなんて言い訳
僕は聞きたくはないんだ
転んだ後のカサブタ自慢なんて
僕は聞きたくはないんだ

転んで泣いたあなたはきっと
情けないけどキレイだろう?
擦り傷を指され照れ笑うあなたはきっと
情けないほどキレイだろう?

擦り切れた膝を抱えながら
ランドセルを投げ捨てて
泣きながら潜り込んだ机の下
ママに心配かけちゃいけないんだって
僕は男だから強いんだって
情けないけどキレイだろう?

夕暮れ背広小さくなった背中を眺めながら
夕闇呑み屋大きく膨れ上がった話を聞き耳ながら
嘲笑と紅潮のこの街に溺れながら

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by setsuna-yoshida | 2010-09-15 12:29 |

アパートメントアパート



か細く柔いモノを積み重ね
壊れる瞬間の空気の色がみたい

三階建て木綿豆腐アパートの屋上で
夕暮れが来るのをパラソル出して待っている
これほど優しい時もないだろう?
待ち切れず踏んだ地団駄で
壊れてしまいそうだからって大家さん
カラッと揚げ出し豆腐にしちゃうんだ
これほどの横暴もないだろう?

使い古しの自由も
最新型の束縛も
何時も僕を困らせるから
小さな僕の抵抗に
街に醤油と生姜を買いに行くんだ

三階建て揚げ出し豆腐アパートの屋上で
台風が来るのを只管悪戯に待っている
これほどヘンテコな事もないだろう?
次に来る激しい風に吹き飛ばされるだろうアパート
だって僕が真ん中の柱を食べたんだ

今度はね牛乳プリンで造るって決めてるんだ
そしたら流石に大家さん
揚げたりなんかしないだろう?

三階建て牛乳プリンアパートの屋上で
夕暮れが来るのを地団駄踏んで待っている
か細く柔いモノを積み重ね
壊れる瞬間のホントの声を探しながら
カラメルソースをかけたがる大家さん
必死で宥めたりしながら

柔いモノだけが持つ優しさの色
僕はちゃんと知っている
僕がちゃんと知っているから



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by setsuna-yoshida | 2010-06-21 18:13 |

夕暮れの逃亡者



もー二度と逃げないように
背中に一つ傷を付けて
もー二度と逃げないように
飛べやしないよって優しく教えて

逃げ出したいほど怖いのは
ハッピーエンドが描けない事なんかじゃなくて
逃げ出したいほど怖いのは
死ぬほど夕焼けがキレイだから

だからね

誕生日の前にはうんっと良い子にして
誕生日には夕焼けをネダるんだ

だからね

僕はもーすぐ強い子になるんだ
きっとあなたを守るんだ

          詩彫 刹那


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by setsuna-yoshida | 2010-06-03 00:12 |

忘れられたブランコ



色んな事を上手く言えずにいたら
僕の口は小さくなった
溢れる涙を堪えていたら
僕の眼は垂れてしまった

突き立てた中指を折らぬようにと
流した涙を拭かぬようにと
凍える気持ちを太らさぬようにと
古びた公園ブランコ揺らす

普通の定義が曖昧ならば
変態くらいがちょうどいい
気が違えるキチガイならば
そんなステキはないだろう?

あの頃より少し大きくなったから
このまま何処かに飛び立てるかな?
錆びて軋んだ音はまるで優しくて
古びた公園ブランコ揺らす
砂場とシーソーの間辺り
笑顔と涙の両端辺りで



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by setsuna-yoshida | 2010-05-24 22:55 |

もっと古びた墓場の風景




街の貯水タンクでため込んだ
僕の涙があなたに落ちる時
夜露とやらと交わって
先よりほんの少し大きな水滴になるから
それはきっと少しだけキレイだから
幼い若葉は枯れてしまうんだろう?

あなたみたく
優しく激しく誰かを
包んでみたいと思うけれど
自らを包む毛布さえ朧な僕は
せめて
あなたの肌の何処かから
夜景と名付く
あなたの友の墓場を眺め
ほんの少し涙を流す

街の外れの古びた山の何処か
幼い風に包まれながら

その昔あなただった
僕等の街を眺めながら
ほんの少し涙を流す

ごめんね
汚い涙だからあなたを汚してしまう
そんな事を考えて歯を食いしばってみたら
もっと沢山ほんの少し
涙なんかを流す


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by setsuna-yoshida | 2010-05-19 16:17 |

ホントの贋物




それでもアイツは優しいから
寂しく微笑む何時かのあの子
青ずんだ頬は白い肌を必要以上に引き立たす

あなたの声が震えた日から
あなたを訪ねて来たんだよ
捲り取られた下着の日から
あなたを迎えに来たんだよ
僕が話す道化師な話
嘘が苦手は詐欺師の作り話
青ずんだ頬は作り笑顔を必要以上にニセモノにする

あなたはきっと優しいから
小さく笑ったあの子の面影
何時の日かステキな温度になりますように



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by setsuna-yoshida | 2010-05-09 00:23 |

三つ葉の詰め草




左眼に映る柔な視界
僕は明日も抱けるかなぁ

流れる星がスベテなら
きっと北極星に祈りを捧げ
四つ葉の詰め草がありふれてるならば
三つ葉をみんな欲しがるんでしょ?

僕がもう詩えなくなって
酒場辺りで溺れるならば
あなたは指して笑ってくれるかなぁ

三つ葉も四つ葉もカイワレも
ホントはたいして変わりはしないくせに

僕はまだ詩えるよって
夕暮れ辺りに強がって
ただ葉の隙間の空気の違いが
僕を何だか嬉しくさせる

左眼に映る柔な視界
僕は明日も抱けるよ


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by setsuna-yoshida | 2010-04-30 12:13 |

ロマンとチック



ギラギラした頃に
手に入れたモノと
ギラギラの末に無くしたモノを
測りにかけた事があるかい?
不感症を着飾るあなた
きっと真っ赤になってしまうよ

オトナになって手に入れた物と
オトナになって失くしたモノを
測りにかけた事があるかい?
多感症な僕ら 誰もオトナになんかならないよ

「クソったれ」を「まぁまぁ」で押し殺してみても
「何で」の心を ムズカシイ言葉で誘惑しても
その先に見えるあなたは誰?

怪訝な顔で見るけれど
あなたがウソブク「未来」って奴より
僕のアワグくお伽話の方が
スコブルきっとステキだよ

みけんにシワをよせるけど
あなたが語る「男」より
僕が描く「男の子」の方が
よっぽどなおさらロマンチックだよ

僕は悪ガキ
何時も何時だってはんこーき
一生一代はんこーき
夕暮れ辺り
あなたがきっとクタクタ時分
たくらみ笑いをたずさえる

「さぁ、大人達は眠った 子供の時間の始まりだ」

ロマンチックな話をしよう


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by setsuna-yoshida | 2010-04-22 14:00 |

音痴な影の詩




耳を澄ませて聞こえてくるのはノイズで
深呼吸で吸い込むのは煙草のケムリ
さぁ何処に行こうかって
この足で行ける範囲は限られている
じゃあ大人しくしてよーかって
それほど利口なはずもない

ピエロのメイクを施して
化繊の着ぐるみで身を隠す
映る姿は想像以上にピエロで
少し下
僕の影が肩を落とす

肩を丸めて襟を立てて
涙の在り処を狂気で覆う
写る姿は必要以上に小さくて
少し下
僕の影が出来る限りのピエロを演じる
「大丈夫だよ」??
僕は少し鼻歌う

耳を澄ませて聞こえてくるのはケムリで
深呼吸で吸い込むのはバズな音
じゃあ何処に行こうかって
この足で行ける範囲は限られている
さぁ大人しくしてよーかって
僕の影
お気に入りのスニーカー
靴紐すでに結んでる
知り得る限りの優しい歌など
鼻歌いながら

「大丈夫だよ」
根拠以外を探しに行こう

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by setsuna-yoshida | 2010-03-17 20:06 |

泥の柔肌





どれだけの苦虫を噛み潰せば
少しはマトモになるのかな

出来る限りの愛想笑いは
何時も5分後水に流す
有らん限りのキレイ事は勿論
5分の次に水に流す

木々が調べぬこの街で
優しいはずの柔肌も
愛に似た獣の時間も
ほんの少しのホントでさえも
ろ過などされず水たまる

もう少しの苦虫を噛み潰せば
少しはマシになるのかなぁ

溜息一つ押し殺し煙草など咥える
木々が調べぬこの街の中で

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by setsuna-yoshida | 2010-03-15 17:28 |